探偵が早すぎる | タダで見る方法［全話フル動画］

千曲川がいつものバーカウンターで水を飲んでいる。
一気飲みしたらしく頭を痛ましていた。
マスターからツッコミを受ける。

バーカウンターにはもう一人、妖艶な美女が座っていた。
早速口説きにかかる千曲川。

彼女が飲んでいるウイスキーについてうんちくを語り始めた。
バニラの香り、濃厚な黄金色、樽の香り、
これは30年ものだ。

席に戻るようにマスターが注意する。

しかし余計な一言まで付け加えた。
彼女の口からアンモニア臭がする。
そしてスカートを破り、足の出血班も指摘した。
これは肝機能障害によくある症状だ。
酒をすぐやめるように話したが、変態とビンタを食らってしまった。

怒りながら彼女は店を出た。

「快感、、、」

「ふざけるな！」

〜〜〜

ここは一華の自宅

一華は、家政婦の橋田政子の腕に引っ掻き傷があったことが引っかかっていた。
城之内の妹早苗が、犯人は女性で、腕に引っかき傷をつけたと話していたからだ。

どこか怯えた表情で、一華は政子が料理をする後ろ姿を見ている。

料理を食べる時にもなかなか食事が進まない。
城之内は依然として行方が分かっていなかった。
早苗は命が狙われてしまった故に実家に戻った。

その日の夜、一華は母が入院していた病院に問い合わせた。
もう一度母が亡くなった当時のことを確かめたいのだ。

〜〜〜

大陀羅朱鳥は、政子と一華の母親の接点を探っていた。
しかし15年以上も経過している故に当時の情報を持っている人間はほぼいない。
この状況を朱鳥は利用しようと企みを始めた。

〜〜〜

千曲川は今日は長渕剛のコスプレで大学に登場

未夏が大学の学食から引いた目で見ている。
律音はなぜかかっこいいと話す。
どうやら強くなりたいために鍛えてほしいらしい。

千曲川探偵はなんでもお見通しだった。
一華たちの会話は筒抜け。
どうやら盗聴しているらしい。

もうついてこないで、と話す一華にこれから母親に担当していた看護師に会いに行くのだろうとズバリ言い当てた。
さらに少し話は戻るか、城之内と京都に向かう時に、おしゃれなレストランやバー、そしてラグジュアリーなセミダブルのホテルも検索していたことをバラすと一華は千曲川のみぞおちに痛恨の一撃をくらわすのだった。

一華は盗聴防止のために未夏とバックをチェンジした。
そこまでして話を聞かれたくない内容なのか。
果たして一華は母親の何を知りたいのか？

〜〜〜

一華が待ち合わせのカフェにやってきた。

しかしいつも通りあとをつけている千曲川をストーカー呼ばわりして、裁判所から接近禁止命令が出ていると店員に中に入れないようにお願いした。
中に入ろうとすると千曲川は店員にガードされて入ることができない。

一華の母、純華の担当看護師、池内と待ち合わせた。
彼女曰く、不審に思う部分が多かったらしい。

死亡原因は確かに心筋梗塞だったが、前日に検査を受けていた。
そしてその検査結果からは心筋梗塞を引き起こしてしまうような症状は全く見受けられなかったのだ。

しかも当時の担当医は、純華の死後3週間後に、交通事故で亡くなっていた。
確かに不可解な点が多すぎる。

一つの手がかりになるかもしれないと池内は担当医と同期の尾崎を紹介した。

さらに一華は質問を続けた。
大陀羅グループツートップの顔写真を見せて見覚えがないか尋ねたのだ。
しかし看護師は見覚えがないと答える。

一華は次に家政婦の政子の写真も見せた。
すると看護師は。この人ならよくお母さんの面会に来ていたと衝撃の事実を伝えたのだ。

〜〜〜

一華は尾崎に会うことができた。

尾崎からお母さんが遺体をちゃんと見た？と質問される。

霊安所で見たのが最後だった。
しかし遺骨は手にしていた。

その点について尾崎は不可解な点があるらしい。
献体登録をしていたので、純華の遺体は医大に送られた。
しかしその途中で遺体そのものがどっかへ消えてしまったのだ。

さらに尾崎は続ける。
ある飲み会の席で、
純華は何者かに命を狙われていた。
だから救命をするふりをして、装置にある設定をして純華があくまで命を落としたように細工をしたと見せかけたのだ。
そして彼女を逃したと言う。

それはつまり純華がまだ生きてるということなのか？
現に担当医だった人物は亡くなってしまっている。

犯人に心当たりはないかと尋ねると、
よく病院に来ていた女性だと回答するのだった。

一華の脳裏に政子が浮かんだことは言うまでもない。

〜〜〜

病院にまで千曲川探偵はついてきた。
盗聴器はなくなっても読唇術で一華が話していた内容をズバリ当ててみせた。
期待はするな！母親が生きている話はただの酔った席での妄想話に過ぎない。
そう忠告した。

一華の元に橋田から電話が入る。
しかし彼女は出ることができなかった。
話を聞いてほしいと千曲川探偵を定食屋に誘う。

相変わらず食べるのが遅い。
1時間30分も待った。
全部食べ終わったら話を聞いてくれるらしい。

やっと食べ終わり、政子の腕の引っかき傷の話題になる。
確かに気になる話ではある。病院にも頻繁に来ていた。
政子は、母親が亡くなってから世話を頼まれたと話していたのに、その前から病院に来ていたのはおかしい。
一華はもしかしたら大陀羅一族の関係者である疑いを持っていた。

ちょっとしたら自分と養子縁組を結んで遺産を狙っているのかもしれない。
千曲川は、彼女がもし君の想像する通りだったら、彼女に笑われた私もグルかもしれないぞ、と脅しをかけるが、
あなたはただ犯人に対してトリック返しをしたい変態だから違うとピシャリと言い切った。

そんな一華に自分のことを信じてくれていると喜ぶ千曲川探偵だったが、そうではなくただ変態だと思ってるだけだ。
しかし千曲川は変態という響きにさえ快感を覚えてるようだった。

「変態！変態！」

「心地いい響きだもっとくれ！」

〜〜〜

その帰り道、

今日あなたの家に言ってもいい？と一華が尋ねる。
それほど今政子と二人きりになるのは怖いのだ。

しかし千曲川は家がないらしい。
いつもその辺りで寝ている。
さすがにそれはありえないと未夏の家に泊まることにした。

別れ際、千曲川はこう宣言した。

「何があったとしても存分に痛めつけてやる。たとえ橋田だったとしても」

未夏の家に泊まり、一華は大学に行った。
今日の千曲川は少年の格好でカブトムシ採りに夢中になっている。

すると一華のもとに一人の女の子が手紙を届けた。
女の子はすぐにどこかへ去ってしまった。

手紙を見てみると差出人は純華と書かれて、携帯電話番号も載っていた。
すぐに電話をかけてみる。
すると母親が出た。ゆっくりと右を見てと指示をする。

そこには死んだはずのまぎれもなく母親の姿があった。
一華は涙を流しそうになった。
それはそうである。死んだと思っていた母親が突然にして目の前に現れたのだから。

しかし、純華は今はまだこっちに来ちゃだめと話す。
探偵さんに気付かれてしまうから。
今までのことを全て話すから、今夜11時に探偵さんの監視から逃れて六甲フィルム工場に来てと話すと純華は姿を消した。

去りゆく母を見つめながら、振り返ると突然にして政子が姿を表した。
一華は大きなびっくり声を上げてしまう。

誰と話していたのかとか政子は問いかける。

「未夏、、」

昨日の夜帰ってこなかったので、夕飯のおかずをお弁当箱に詰めてきたと言う。
一華はありがとうとお礼を言うが、どことなくぎこちない。
そして今日もレポートの課題があるから家には帰らないと伝えた。

一華は政子が去って行くのを見送り、お弁当箱を千曲川に手渡したのだった。

〜〜〜

一華は初めて千曲川探偵にご馳走した。
バーで最高級のバーボンを飲ませたのだった。
彼女は貯金通帳から8万円を引き出し残高は数百円になっていた。

千曲川は次々におかわりをしてすぐに酔っ払ってしまった。
なぜ彼女はそこまでして千曲川に奢ったのか？

マスターにお金を払う時の一華の悲しげな表情が印象的だ。

そう。
彼女は千曲川の監視から逃れるために、たくさんのお酒を飲ませたのだった。

一華は純華に指示されたフィルム工場に向かった。
そこには母親がいた。

「ごめんね、ごめんね」

純華は何度も謝り一華を抱きしめた。

あなたを殺そうとしたのは、本当に橋田さんなの？

純華いわく橋田は大陀羅一族だったらしい。
遺産を全て手に入れるために利用したと伝えた。

しかしどことなく一華の表情が冴えない。

「なんであなたは迎えに来てくれなかったの？」

「あなたなんて言わないで。お母さんって呼んでほしい」

そこに近づいてくる足音が聞こえてきた。
純華は一華を引っ張って、隅に隠れる。

橋田政子家政婦がやってきた。
純華は裏口から逃げるように促す。

そこでも一華は政子のことが気にな理、また純華に全幅の信頼を置いているわけではなかったので迷いながら裏口から逃げたのだった。

〜〜〜

夜があけた。

川べりのガード下で焚き火をしている。

自分はどんな子供だったか質問した。

手のかからない子だった。
お気に入りのTシャツを着ればすぐに泣き止んでくれた。
好きな場所は遊園地のメリーゴーランド。
二人の思い出の場所だ。
確かにお母さんしか知らない情報を知っていた。

悲しい思いをさせてしまってごめんなさい。純華は謝った。
これからはずっと一緒にいたい。

なんとそこに政子が突然現れた。
どうしてこの場所が分かったのか。

「さぁ帰りましょう」

「一華は私と暮らすの」

「では彼女に決めてもらいましょう」

究極の二択を一華は迫られていた。
私と来てほしいと純華は必死に訴えた。

しかし、一華はこう話す。

「あなたは私を殺さない？だったら何もしないで。あなたはお母さんじゃない」

〜〜〜

一華がバックを持って逃げ出そうとする。
純華は必死の形相で制止した。

そこに政子が助けに入って、ローキックを見舞わせる。

「あなたはすでに大きなミスを犯している」

さらに千曲川探偵も浦島太郎の格好して煙を撒き散らしながら登場した。
その煙によって純華は激しく咳き込んでいる。

この煙によって一華の気を失わせようとしていたのだ。

千曲川探偵は純華がひどい炎症を起こしていることを指摘した。
通常炎症は、何かに触れたことにより発症する。

接触性の皮膚炎には様々な原因がある。
例えば香水、化粧品、金属、腕時計など
しかしそれらは普段からつけているから除外。

その他にも洗剤、洋服、家庭用の化学薬品など。
これらも自分がアレルギーを持っていると判断していればあえて使うことはない。

つまり日常的に触れないものに接触してしまったが故の炎症だと言える。
それは、植物。毒を持った。
その毒を一番効果的に発揮させるのは食べさせること。
しかし見た目もあるので食べさせることは難しい。

よって、一華に煙にして毒を吸わせようとしたのだ。
その植物の名前は、「キョウチクトウ」
キョウチクトウに含まれているオレアンドリンは、彼に火で燃やしても成分は崩れない。

吸い込んでしまうと場合によっては心臓麻痺さえ起こしてしまうほどの毒だ。
川辺に咲くキョウチクトウが不自然に折られていた。

この川辺に連れて来たのも決して偶然ではなかった。
全てが計画的に仕組まれていたのだ。

政子に電話をして、昨日工場に呼び寄せたのも純華だった。
犯人に見せかけるために。

この女は本物の一華の母親ではなかった。
整形によって作り出された偽物だった。
顎に虫刺されによるひどい腫れがあったが、この女はそれを感じることはない。
整形手術によって顎を削り知覚神経が麻痺しているからだ｡

「神のものは神に！カエサルのものはカエサルに！」

「もうやめて！」

一華はたまらず助けに入った。
自分の命を狙っていた相手にもかかわらず。

そしてすぐに解毒剤を渡すようにお願いした。

実は、一華はどうしても本当の母親だと信じることができず、自分の場所を携帯の発信機能を使って千曲川探偵に知らせていたのだ。
つまりどこかでこうなることは予測していた。

千曲川から解毒剤を奪って、注射をしようとするがやり方が分からない。
政子が助けに入って無事に偽純華の命は助かった。

〜〜〜

偽物は夫からひどいDVを受けていたらしい。
そして逃れている最中に大陀羅グループの魔の手にかかってしまったのだ。
一華に関する詳細な手帳も渡されていた。

彼女は何度も何度も謝った。
一華は全て忘れるのですぐに立ち去って下さいと促した。
偽物は申し訳なさそうに足早にその場を後にした。

手渡された手帳には一華の今までのヒストリーが記されていた。
赤ちゃんの時からコツコツ純華が記してきたものだ。

1ページめくるごとに一華の目から涙が止まらない。

「お母さん、、さようなら、、」

千曲川と政子は黙ってその様子を見つめていた。

〜〜〜

自宅に戻ってきた。
一華は疑っていたけど、最後の最後まで信じたかった。

ただ偽物の母親が左利きだったこと、
そしてどうして迎えに来なかったのと質問した時、はぐらかされたことに不信感を覚えたのだ。

観察力があったからこその結果だった。
あの看護師も、あの医師も、大陀羅グループが仕込んだものだった。
証言を聞いた時点で気づくべきだった、と千曲川探偵は指摘する。

そんな偉そうなこと言わないで。あなたも私にお酒によって眠らされていた。
私が位置情報をオンにしなければ場所を特定することができなかったんでしょ？と問う。

しかし千曲川は、事件を未然に防いでいたと語り出した。
実は出されていたお酒はバーボンではなく、ただの烏龍茶だった。
しっかりマスターからお金も回収していた。後をつけていたのだ。

一華にバーの飲み代を千曲川は返した。
そこまで見破られていたことに一華は動揺してしまう。

〜〜〜

ここで政子は正直に話さなければいけないことがあると改まる。
結果的に政子への疑いによって一華は命の危機に瀕していたわけだ。

城之内くんの妹を襲ったのは確かに政子だった。
もちろん傷つけるつもりはなかった。
しかし、想像以上の抵抗にあってしまい、あのような結果になった。

理由としては、千曲川を解雇しようとしていたこと。
もう一度ふたりの距離を縮めるために計画的に行ったことだった

「申し訳ございませんでした」

「じゃあお母さんは殺されたの？」

政子は真実を語りだす。
15年前にある資産家が突然死んだ。
警察の調査によると死因は心筋梗塞で事件性はない。
しかしその判断に納得がいかない遺族は独自に調査。

すると事件当日、現場から走り去る二人の男の影を見た人物がいた。
それが一華の母親だった。
警察に証言を依頼された。そして承諾したのだった。

しかし後になって考えれば承諾すべきではなかった。
大陀羅一族が関わっている事件だったから。

母親が大陀羅一族に暗殺されてしまった真実を知った一華は一筋の涙を流す。
そして、二人にあるお願いをした。

「逃げてばっかりじゃだめだ」

〜〜〜

大陀羅家にも新しい動きが出ていた。
今まで対立していた二つのグループが手を取り合ったのだ。
一華に遺産が相続されるまで時間がなくなっていたことが理由だ。
ひとりじめなどと欲を出している場合ではない。

亜謄蛇もその申し入れを快諾した。
壬流古も花火事故から復活した。
多少の傷は残っているものの、元気そのものでママとハグをする。

いよいよ最終決戦の日は近づいていた。
その体勢が着々と整いつつある。

〜〜〜

一華は２人を高台の公園に呼び寄せた。
そこで改めて決意を述べる。

もうこれ以上自分のことで犠牲者を増やしたくない。
だから私は戦おうと思う。

どんなに危険にさらされても、
私にはトリック返しで守ってくれる探偵がいる。

それを活かして今度は私たちが反撃する番。
あなたは絶対に手を抜かない。

「よ～し！みんなで大陀羅一族をぶっ潰すよ～！エイエイオー！」

千曲川と政子は無視して公園を後にした。
急いで後を追いかける一華。

しかし彼らの絆は間違いなく深くなってきたのだった。