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【この世界の片隅に】 2話 ネタバレ ドラマ “波乱の新婚生活の幕開け”

この世界の片隅に

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※本作品の配信情報は2018年9月15日時点のものです。配信が終了している、または見放題が終了している可能性がございますので、現在の配信状況については公式ホームページもしくはアプリをご確認ください。


【番組名】この世界の片隅に
【放送日】2018年7月22日(日)
【放送局】
TBSテレビ
【放送日時】毎週日曜よる9時
【出演者】

松本穂香、松坂桃李

二階堂ふみ、榮倉奈々

尾野真千子、田口トモロヲ

伊藤 蘭、宮本信子

【原作】 こうの史代『この世界の片隅に』
(双葉社刊「漫画アクション」連載)

無料動画の視聴方法

【この世界の片隅に】をリアルタイムで

視聴できなかった方に向けて、TBSテレビは

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自分の目でしっかりご確認されたい方は、

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本作品の配信情報は2018年7月29日時点のものです。配信が終了している、または見放題が終了している可能性がございますので、現在の配信状況については公式ホームページもしくはアプリをご確認ください。


第2話【ネタバレ詳細】

[序盤]

昭和19年3月。

早朝、ゆっくりと目を覚ましたすずの視線の先には、見知らぬ天井があった。ふと隣を見ると、まだ周作は眠っていた。まじまじとその寝顔を覗き込みながら、呉に嫁ぐ前に母から言われた事を思い出した。

キセノ 「すず!あんたが誰よりも、早う起きにゃいけんのよ。最初が肝心なんよ、最初が。」

着替えたすずは朝の支度をするため、台所に行き、水瓶の中の水を掬おうとするが、残り少なかった。困ったすずは、円太郎とサンの寝室の様子を窺う。

寝室に明かりがつき、中ではサンが起きようとしていた。まだ寝ていればいいと言う円太郎に、そうは言っても勝手がわからないだろうと、返すサン。

サンが部屋から出ようと引き戸を開けると、目の前にすずが立っていた。お互いに驚く2人。

おはようございます、と挨拶をして「あの…」とすずが切り出そうとすると、すかさずサンが「お水じゃろ?」と言った。

江波の浦野家では水道が通っていたが、北條家は山の上なので水道が通っていなかった。

そのため、共同井戸まで水を汲みに行かなければならず、サンはすずに井戸までの道順を教える。

すずはサンに休んでいて下さい、と言って水を汲みに行った。

共同井戸で水を汲み終えて、家に戻ろうとしたすずの前に、刈谷幸子が現れた。幸子は、周作より2つ年下の幼馴染で、子供の頃から周作に想いを寄せているようだった。

ジロジロとすずを見て、なぜ周作が嫁に選んだのか納得がいかない様子だったが、すずの言動に毒気を抜かれたようで、分からないことがあったら、何でも聞きなさい、と言い残してその場から立ち去った。

天秤棒での慣れない水汲みからの帰り道、立ち止って辺りの景色を見回したすずは、

「お嫁にきたんじゃねぇ、うちは」

と、呟き、改めて自分が嫁に来たことを実感するのであった。

家に戻って来たすずは、朝食の支度をしながら、再び母に言われたことを思い出していた。

キセノ 「台所はそれぞれの家で全然違うけぇね。料理の仕方も違う、その家の人の好みもある。それに、お義母さんのやり方もあるしね」 

「とにかく、何でもお義母さんに聞きんさい。勝手にやり方変えたら、腹立つけぇ」

確かにすずは、北條家の勝手が分からずに困っていた。しかし、色々聞いてしまったら、足の悪いサンを働かせることになってしまうと、何も聞けずにいた。

そんなすずの様子を少し離れた所から見ていたサン。

サンに気づいたすずは声をかけた。

すず 「なんかおかしかったら、言うて下さい。教えて下さい。」

サン 「ええんよ、あんたの好きなように。やってもらうんじゃけぇ、文句は言えんよ」

と言ってサンは戻って行った。そんなぁ、とうなだれるすず。

朝食ができあがり、円太郎、サン、周作、すずの4人で食卓を囲む。黙々と食事をするサン達にすずは思い切って尋ねる。

すず「あのぉ…大丈夫でしょうか?お口に合うかな、思いまして」

サン 「よう頑張ってくれとるよ、すずさんは。」

と言って再び黙々と食事を続ける。すずを気遣い、味噌汁を飲んだ周作が、「うん、うまい。のう?」とサン達に同意を求めるが、円太郎は新聞を読むのに夢中で、サンは何も言わなかった。食卓には微妙な空気が流れた…。

朝食を食べ終わり、勤めに行く円太郎と周作をすずは見送った。

当時の呉の町並みが写し出される。

(兄・要一に語りかけるように、すずのモノローグが入り、北條家の人達の簡単な紹介が入る。)

呉は、海軍や軍関係の仕事をしている人が多く、義父の円太郎は、航空機を作る工場でエンジンの設計などを行なっている。

義母のサンは、足が悪く歩くのも辛そうにしている。

周作は、呉鎮守府の録事をしている。

場面が変わり、北條家ではすずが洗濯や水汲み、掃除などの家事をしている様子が描写される。すずは、裁縫があまり得意ではないようだ。頑張って家事をこなしているうちに日が暮れ、周作が仕事から帰ってくる。

「お帰りなさい。ご苦労様でした」と言って、周作の鞄と帽子を預かり部屋へ運ぶ。

そして、4人での夕食の時間。煮物を食べた周作が、

周作 「美味いのう、これは。すずさん!」

と、感嘆の声をあげたのだが、

すず 「それはお義母さんが作りんさったけ、美味いはずです」

周作 「え…」

微妙な空気が流れる。そんな中円太郎はひとり、周りの状況に全く気づかずに、本のページを捲りながら夕食をつまんでいた。

1日が終わり。すずは疲れからか、湯船の中で、こっくりこっくり、居眠りをしていた。

バランスが崩れ、湯船に顔がついて慌てて目を覚ます。

風呂から上がったすずは、寝室に向かった。寝室では周作が本を読んでいた。

箪笥に着物をしまっていたすずに、背を向けたまま周作が問いかけた。

周作 「どうじゃった?今日1日。大変じゃったか?疲れたじゃろう?」

すず 「いいえ」

と言ってすずは首を横に振った。周作はさらに言葉を続けた。

周作 「こう思うとるんじゃないか?母ちゃんの足が悪うて、しんどうて、家のことする人間が欲しゅうて、急いて嫁が欲しかったんじゃないか。そのために、自分は来たんじゃないんか」

周作はすずの方に体を向けた。彼女の顔をじっと見つめ、

周作 「じゃけどのう、すずさん…」

と、続けようとしたとき、すずが先に声を発した。

すず 「それじゃ、いけんのですか?」

周作 「え?」

すず 「うちはそれで嬉しいですよ。うちが必要じゃ、いうことですよね?」

   「それは……嬉しいです」

周作 「ほうか…」

すず 「はい。じゃけえ、疲れとらんです。全然疲れとらんです」

すずは、周作の目をまっすぐに見て答えた。小さく頷く周作。視線を落として、

周作 「じゃけどのぅ、すずさん。家の事情としては、確かにそういうこともある。それは確かじゃ。でもわしは、あんたに単に働き手として来てもろうた訳じゃ…」

再びすずの方へ顔を向けると、すずは居眠りをしていた。

そんなすずの様子を見て、ふっ、と思わず笑みがこぼれる。

周作 「疲れとらん、言うとらんかったか?」

眠ってしまったすずを、そっと布団に寝かせた周作に、ちょうど寝返りをうったすずの手がぶつかった。そのまま後ろの棚に激突し、あ…と声を漏らした周作の鼻からは、血が一筋流れていた。

翌朝の朝食の席。周作の鼻の詰め物に気づいた、サンとすず。

すず 「周作さん。鼻、どうかしんさったんですか?」

周作 「え?いや…」

円太郎 「なんじゃ、鼻血かぁ。若いのぅ」

と言って、円太郎が笑った。円太郎を窘めるように、サンが大きく咳ばらいをした。

すず 「鼻血ですか?」

周作 「違うわ」

ぶっきらぼうに答える周作。

朝食が終わり、すずに見送られて、円太郎と共に仕事場へ向かう。

刈谷家の前を通ると、ちょうど幸子が庭に水を撒いていた。

挨拶をすると、周作の鼻の詰め物に気づいた幸子があ!と言って、駆け寄ってきた。

幸子 「嫌じゃ、鼻血!?」

周作 「あぁ…」

円太郎 「ほうなんよぉ」

周作 「何や、そがな時だけ…」

意味ありげな笑みを浮かべる円太郎。窘める周作。そんな二人の様子を見た幸子は、

幸子 「やらしいっ!」

と言って、二人に向かって、持っていた杓で勢いよく水をかけた。そして怒ったまま庭の水撒きに戻っていった。

周作 「なにがじゃ!?」

円太郎 「巻き添えじゃぁ…」

2人も仕方なく、そのまま仕事場へ向かった。

庭で洗濯物を干しているすずに、縁側からサンが声をかける

サン 「ええ天気じゃねぇ」

すず 「はい。ここは高いとこじゃけぇ、空が近い気がします」

するとそこへ「おはよう」と言って刈谷タキが野菜を届けに現れた。

サンとしばし談笑すると、回覧板をすずに手渡し、これから配給があるから一緒に行こうと、すずの手を引いて近所の集まりに連れていった。

向かう途中、井戸の近くで堂本安治郎という老人に出会う。タキから紹介され、すずが挨拶をする。しかし、すずを一瞥すると、何も言わずに手元の本に視線を戻した。気にしなくていい、と言って先を急ぐタキ。すずは後を追った。

集合場所に着くと、そこには隣組の幸子、堂本光津、堂本志野、知多ハルの4人がいた。タキは時間がないからと手短に、それぞれの紹介をしていく。挨拶がすむと、配給の準備に取りかかる。タキは志野にすずにやり方を教えるよう頼む。

志野 「お嫁さん同士、仲良うしましょうね、嬉しい。」

すず 「嬉しいです。よろしゅうお願い致します。色々教えてください」

志野はすずの手を握りながら歩き、ちょうど幸子の目の前で止まった。

幸子 「悪ぃね、お嫁さんじゃのうて。色々教えてやれんで」

すず 「いいえ!」

すずは、慌てて否定する。

幸子 「嫌味何じゃけど」

ポカンとするすず。2人のやりとりを見て、志野は堪らずふきだした。

[中盤]

昭和19年4月。共同畑で農作業をするすず、幸子、志野。3人ともすっかり打ち解けている。休憩中、すずと志野は出征中の兄と夫から手紙が来ないと話していた。

すずは志野の夫がどんな人か尋ね、口下手だけど優しいところもある、と志野は答えた。

続けてすずは幸子に、幸子はどんな男の人が好きなのか尋ねる。

え!?と驚く幸子。お茶を飲んでいた志野はむせて咳こむ。

すず 「どうしたんですか?」

幸子 「あ、あのさ、すず。ここに来て1ヵ月位経つよね?全然気がつかんかった?」

すず 「何をですか?」

幸子 「鈍感…。夫婦揃うて鈍感!」

半ば呆れながらお茶をすする幸子。よくわかっていないすずに、志野が言った。

志野 「幸子ちゃんは、ずっと周作さんのことが好きじゃったんよ。ほいでいつかお嫁さんになりたいと思おとったんよね、ずっと」

周作にはその気は全くなく、ずっと幸子のことを近所の妹のように思っていた、と。

それを聞いて驚いたすずは、ええぇーー!?と声をあげた。

幸子 「こっちが、ええぇーー!? じゃ!ほいじゃ何?すずはうちのこと何じゃと思うとったん?単にいっつもつんけんしとる、いなげな女!?」

すず 「はいぃ!」

幸子 「えええぇぇ!?」

あはははは、と大笑いする志野。

すず 「な、なんかすみません。うち……」

   「ええーー!?」

驚きがおさまらないすずを見て、志野はまだ笑っている。

幸子 「可笑しゅうないけど」

最後には、幸子も笑った。

北条家。サンは若い頃の径子の写真を見ていた。すずにも写真を見せてくれた。そこには、洋服に身を包んだ径子が写っていた。まるでモデルのようだった。

サン 「子供の頃から洒落っ気言うんかねぇ、新しい物好きで。言うこと全然聞かん子でね。結婚相手も自分で勝手に決めて来たんよ。」

すず 「へぇ、すすんどってんですね」

何でも勝手に自分で決めるから楽だった、とサンは笑った。

径子ははっきりしていて、嫌なものは嫌、と言う。しかし、周作はあまり物を言わないので、よくわからない所がある。すずも頷く。

サン 「まあ、男の人は大抵そうじゃね。大事なことは口にせんけぇ、わからん」

なるほど、と言ってすずも少し笑った。

サンは、径子と夫と子供2人が写っている写真を見て、しみじみと言った。

サン 「この頃が一番幸せじゃったんじゃないんかねぇ。旦那も生きとったし、好きな服も着れとったし。それがねぇ…何でじゃろうねぇ…。口は悪いけど優しい子なんよ、ほんまは。すずさんにもキツいかもしれんけど、堪えてやってね」

すず 「いえ、とんでもないです。はい」

それを聞いてサンは少し笑った。

その時、外で強い風が吹いて、外の洗濯物が大きくはためいた。

春の嵐いうんかねぇ、とサンが呟いた。

強い風の中、径子と娘の晴美が歩いている。

2人を見つけた幸子に、タキが、あれは喧嘩して出て来た顔だねぇ、と話していると径子が歩いてきて言った。

径子 「タキさんの思うた通りよ。どう?周作の嫁」

幸子 「え?あ、うん、頑張っとる」

径子 「そう。もっと早うこうしとりゃ良かった。そしたら周作も、あがぁな嫁貰わんですんだのに。ねぇ?さち」

え?と、驚いた幸子は、タキと顔を見合わせる。

径子 「あ、じゃあ、かなりしばらく居ることになるけぇ、またゆっくり」

と言って、北條家に向かって行った。

ちょうどすずがかまどの掃除をしていると、ただいま、と言って玄関から径子が入って来た。突然のことに、すずは驚く。まだ居ったん?と早速嫌味を言われる。径子は無造作に白い布袋をすずに渡すと、おもむろに溜め息をつき、冴えん、と言い残して中に入っていった。その後を晴美が追う。すずが袋の口を開けると、中には米が入っていた。

径子の後を追い、

すず 「冴えんなんて、お義姉さん。お米は今日び、貴重品じゃないですか」

径子 「冴えん言うたんは、あんたのことじゃけど」

ありゃ、と呟いたすずを見て、ふふ、と晴美が笑った。

すずの継ぎ接ぎのもんぺを見て、恥をかくのは周作とこの家なのだと叱っていると、どうしたん?と言ってサンが部屋から顔を出した。

径子 「お母ちゃん、聞いてぇやぁ」

と言って、サンの部屋へ入った径子は、晴美には大人しくしてるように。すずには、さっき渡した米は土産ではなく、自分と晴美の分だと告げ、戸を閉めた。

中からはあんな家絶対帰らない、と言う径子の声が聞こえてきた。

晴美は静かに部屋の前から立ち去った。

先ほど径子から新しいもんぺがないなら作れ、と言われたすずは鋏を持ちながら途方に暮れていた。その近くで晴美はあやとりをしていた。

すずは、晴美の方へ行き、

すず 「すずです。よろしくね」

晴美 「黒村晴美です。よろしくね」

すず 「何歳?」

晴美 「時期、6歳になります」

挨拶を交わしていると、サンたちの会話が聞こえてきた。

サン 「もういっぺん、話し合うてみたら?」

径子  「嫌よ、顔も見とうない!」

その会話を聞いた晴美は、静かに視線を落とした。

すずは晴美に嫁に来る前に、祖母のイトから裁縫の特訓を受けた時の話をした。

イト 「下手じゃねぇ、すずちゃんは」

すず 「分かっとるよぉ」

イト 「でもやるしかないんよ、嫁に行くんなら。下手でもええ。大事なのは、大切にすること。これからは、今よりももっと物を大事にせにゃあいけんようになる、もっとね。出来栄えは不細工でも構わん。だんだん慣れる。」

話している間に、すずは晴美に巾着を作って渡した。ありがとう、と晴美は言った。

そうこうしているうちに、配給の時間になった。すずが支度をしようとすると、部屋から径子が出てきて、自分が行くと言った。出てきた径子に晴美が、すずから貰った巾着を見せた。ありがとう、と径子がすずに礼を言った。

すずが切符と財布を渡すと、晴美を連れて出て行った。

配給を貰って2人が戻って来る。釜を洗っていたすずを、自分がやるからと強引に押し退けた。

夕食の時間。円太郎が賑やかでいいな、と言った。すずも同意する。

すると、径子が箸を置き、

径子 「離縁するわ、私」

と宣言した。

このまま戻らないのかと周作が尋ねると、今回は息子を連れて来れなかったので、連れ戻しに帰ると答えた。それから少しして径子は

径子 「よう考えたら、そもそもお母ちゃんの具合のことがあって、周作には結婚してもろうたけど。私がここに居るんなら、嫁に来てもらうの、急く必要はなかったね」

と言い出した。

周作 「何、勝手なことを」

径子 「すずさん」

すず 「はい」

径子 「あんた、広島に帰ったら?」

周作 「姉ちゃん、何言いよるんな」

周作とは反対に、そうじゃね、とサンは径子に同意する。いっぺん少し帰ったら?と。円太郎も同意する。羽をのばしてきたらいいと。

径子 「いや、うちが言うとるのは、そういう帰ればじゃないけど…」

すず 「ほんまですか?ありがとうございます、お義姉さん。」

径子 「え?」

すず 「そうさせていただきます」

嬉しそうなすず。径子は苦笑する。

その夜寝室で、周作はすずに、無理に帰ることはないと言い、横になっているすずを覗き込むと、すでに眠ってしまっていた。

それを見て静かに部屋の明かりを消し、布団に入る。

少ししてすずは、目を開けた。寝たふりをしていたのだった。

[終盤]

場面が変わり、浦野家。寝ているすずをいこそうとキセノが声をかける。寝返りを打ったすずの後頭部のハゲを発見し、苦労しとるんじゃろうねぇと、しみじみ呟いた。

夕食の席で径子の話になる。

帰らされたんじゃなく、暇を出され他のでは、とキセノがすずに聞く。

すみとキセノは、径子に腹を立てるが、すずは悪い人ではないと否定する。

すず 「大変なんよ、お義姉さん。うちが居らん方がのびのびしてんじゃないかな思うたけぇ。ほいじゃけぇ」

キセノ 「じゃけえ言うて、あんたが実家帰ってどうするん?」

すず 「どうする言うたって……分からん」

黙々と夕飯を食べるすず。十郎が2、3日ゆっくりしてそれから考えればいいと言った。

それから要一の話になった。すずもふみも葉書を出したが、まだ返事は返ってきていない。

少ししてすずが、「ごめん、帰ってきて」と切り出した。

「あほ、心配しとるだけじゃ」と十郎が言って、みんな少し笑った。

千人針をしているすずの髪を梳いていたふみは、すずの後頭部のハゲを見つけ、思わず手が止まる。すずがすみちゃん、と呼びかけ、働いている工場はどうなのか聞いた。すみは再び髪を梳かす手を動かした。髪を梳かし終わるとすずに尋ねた。

すみ 「お姉ちゃん。お嫁さんは、大変?」

すず 「うーん……ほうでもないけど」

すみ 「嘘!」

すず 「なんで?」

すみ 「じゃって…じゃって……」

すずの顔を見たまま、先の言葉が出てこず、「寝よう」と言って部屋の明かりを消すと、素早く布団をかぶった。状況を飲み込めないすず。

すみ 「ハゲ……できとるよ」

言われたすずは、慌てて自分の頭を触って確認する。

そして「えええぇぇぇーーー!?」と大声をあげた。

翌朝、十郎達3人は仕事へ向かう為、すずは見送りをする。すると、たまには町で好きなものでも買ったらいいと、十郎が小遣いを渡した。

すずは町へ行き、帳面とミルクキャラメルを買った。幼い頃、お使い終わりに絵を描いた時と同じ場所に座って、キャラメルを美味しそうに噛みしめた。まじまじとキャラメルの箱を見ていたすずは、幼い頃に一緒に人攫いから逃げた男の子と周作が重なった。そして、周作の言葉を思い出していると、すずの目から涙が流れた。居ても立っても居られずに、すずはその場から走り出した。

浦野家。婦人会の内職から帰ってきたキセノは、机の上に書置きを見つけた。すずの字で呉へ帰ると書かれていた。「頑張れ、すず」とキセノは呟いた。

すずは、北條家の前まで来たが、家に入る勇気がなく、共同畑で途方に暮れていた。ちょうど畑にやって来た志野が、すずを見つけて声をかけようとすると、反対側から周作が現れた。志野は声をかけるのをやめて、静かにその場を立ち去った。

周作が現れて小さく驚くすず。周作はおかえり、と言ってすずの横に腰を降ろした。帰って来てくれてよかった、明日迎えに行こうと思っていたと。

すると、海の方を見ていた周作が興奮した様子で、すずに見るように言った。山の陰から戦艦「大和」が姿を現したのだ。すずはその大きさに驚く。大和を見て感動しながら周作が言った、

周作 「細いこと気にするの、阿呆らしゅうなってこんか?」

そして、両手を口に当てて大声で叫んだ。

周作 「おかえりー!大和ー!」

突然の大声にびっくりするすず。さらに周作は続ける。

周作 「おかえりー!すずさーん!」

恥ずかしくて顎をかく周作。すずを抱き寄せ、頭に触れた途端、すずが勢いよく手を振り払った。バランスを崩した2人は下の道に落っこちた。泥だらけじゃ、と言って2人は笑った。すずについた土を払っていた周作が、再びすずの頭に触ってしまう。あ!と言ってすずはその手をふり払った。周作は優しくすずの手を取り、

周作 「気にせん方がええよ。」

すず 「え?」

周作 「気にすると、大きゅうなるけ。ハゲは」

すず 「気付いとりましたかぁ!」

と、項垂れるすず。そんなすずに向かって周作は優しく「おかえり」と言った。「ただいま」とすずもそれに答える。再びすずの肩を抱く。今度はすずも周作に身体を預け、2人は航行する戦艦「大和」を見つめた。

現代。先ほどすずと周作が座っていたのと同じ場所に立って、佳代は海の方を見ていた。その後ろに佑太郎がしゃがんでいる。

佳代 「見てたんだよね、ここからの眺め。すずさんも」

佑太郎 「まあ、そうなんだろうね。大分違うんだろうとは思うけど、その頃とは」

佳代 「そっか」

佑太郎 「あ、でも海はね。そんなにはね、変わってないんじゃないのかな」

佳代 「ありがとう、優しいね」

佑太郎は佳代の隣に来ると、本気でここに住むのか尋ねた。佳代は本気のようだった。

佑太郎 「そんなに嫌なんだ、辛いんだ。自分のいる場所」

佳代 「うん…。だめ?」

佑太郎 「俺はそういう逃げるみたいなの、好きじゃないけど」

佳代は佑太郎から視線を外すと、再び海の方を見つめた。

 

〜第二話終わり〜

 


【参照】

アニメ版 「この世界の片隅に」


公式 Twitter


キャスト/スタッフ

【スタッフ】

原作こうの史代『この世界の片隅に』
(双葉社刊「漫画アクション」連載)
脚本岡田惠和
演出土井裕泰
吉田健
音楽久石 譲
P佐野亜裕美
制作著作TBSテレビ


【キャスト】


【松本穂香】(北條(浦野)すず)

 

誕生日1997年2月5日
出身地大阪府堺市
事務所フラーム
代表作「連続テレビ小説 ひよっこ」、「風に立つライオン」、「恋は雨上がりのように」、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」
役柄

広島の江波で育つ。周作に見初められ、北條家に嫁ぐ。

おっとりとした性格。思いやりがある

人格

・女優

・趣味、特技 演劇部

・ロックバンド「キュウソネコカミ」のファン

・有村架純(事務所の先輩)と担当マネージャーが同じだった


【松阪桃李】(北條周作)

 

誕生日1988年10月17日
出身地神奈川県茅ヶ崎市
事務所トップコート
代表作「侍戦隊シンケンジャー」、「連続テレビ小説 わろてんか」、「大河ドラマ 軍師官兵衛」、「視覚探偵 日暮旅人」
役柄

すずの夫。軍法会議の録事。生真面目な性格。

子供の頃に一度だけ会ったすずに結婚を申し込む為に、父と共に浦野家を訪れる。

人格

・俳優、モデル

・左利き

・「ONE PIECE」、「BUMP OF CHICKEN」の大ファン

・好きな食べ物 マグロ、オムライス


【村上虹郎】(水原哲)

 

誕生日1997年3月17日
出身地東京都
事務所ディケイド
代表作「2つ目の窓」、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」、「日曜劇場 仰げば尊し」
役柄

すずの幼馴染。事故で兄を失う。

兄と同じように海兵団に入隊する。

人格

・俳優

・父は村上淳(俳優)、母はUA(歌手)

・特技 ギター、剣道(初段)、乗馬、英会話(日常会話)


【二階堂ふみ】(白木リン)

 

誕生日1994年9月21日
出身地沖縄県那覇市
事務所ソニー・ミュージックアーティスツ
代表作「大河ドラマ 西郷どん」「大河ドラマ 軍師官兵衛」「いぬやしき」「問題のあるレストラン」
役柄

呉の遊郭で遊女をしている。

ふとしたきっかけで、すずと仲良くなる。

人格

・女優、ファッションモデル

・好きな食べ物 かぶ

・憧れの俳優 ブリジッド・バルドー、ジーナ・ローランズ、高峰秀子、スティーヴ・ブシェミ 

・ももクロのファン


【榮倉奈々】(近江佳代)

 

生日1988年2月12日
出身地鹿児島県
事務所研音
代表作「図書館戦争」「余命1ヶ月の花嫁」「のぼうの城」「メイちゃんの執事」
役柄

2018年の夏に東京から呉にやってきた。

現在空き家(?)となっている北條家から、すずの櫛を発見した。

呉にやってきた目的とは…?

人格

・女優

・特技 三味線(藤本流準師範)、民謡(名取り)

・夫 賀来賢人(俳優)2016年に結婚

・好きな食べ物 ベーグル、マンゴー、アボカド 嫌いな食べ物 貝


【尾野真千子】(黒村径子)

 

誕生日1981年11月4日
出身地奈良県五條市
事務所TOM company
代表作「連続テレビ小説 カーネーション」「大河ドラマ 義経」「東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン〜」
役柄

周作の姉。

はっきりとした物言いをする。

この時代には珍しい恋愛結婚だったが、とある事情から出戻ってくる。

人格

・女優

・4人姉妹の末っ子


【田口トモロヲ】(北條円太郎)

 

誕生日1957年11月30日
出身地東京都武蔵野市
事務所マッシュ
代表作「GANTZ」「ロング・グッドバイ」「バイプレイヤーズ」
役柄

周作の父。海軍の技術者。

人格

・俳優、ナレーター

・NHK総合テレビ『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』のナレーションで好評を得る


【伊藤蘭】(北條サン)

 

誕生日1955年1月13日
出身地東京都武蔵野市
事務所トライサム
代表作「DOCTORS〜最強の名医〜シリーズ」「太陽は沈まない」「連続テレビ小説 こころ」
役柄

周作の母。足が悪い。

できる範囲で家事などを頑張っている。

人格

・女優、歌手

・元キャンディーズのメンバー

・夫 水谷豐(俳優)1989年に結婚


【宮本信子】(森田イト)

 

誕生日1945年3月27日
出身地北海道小樽市
事務所東宝芸能
代表作

「マルサの女」「連続テレビ小説 あまちゃん」「大河ドラマ 毛利元就」

役柄

すずの祖母。優しい性格。

すずの縁談を聞き、友禅の着物を手渡す。

人格

・女優

・趣味 小唄、ジャズダンス

・夫 伊丹十三 1997年に死別

・2014年に紫綬褒章を受賞


第3話【あらすじ】

昭和19年6月のある深夜。呉に初めて空襲警報が鳴った。北條家では すず(松本穂香)・ 周作(松坂桃李)夫婦はじめ家族全員が恐怖とともに飛び起きた。呉の街も徐々に戦争の色が濃くなり、北條家・刈谷家と合同で防空壕を掘ることに。そんな状況ではあるが、すずは今さら周作がかっこよくて仕方がない。

結婚して3ヶ月。ことあるごとに周作に見とれてはデレデレしてしまう。義姉・ 径子(尾野真千子)や 刈谷幸子(伊藤紗莉)にはそれが心地よいものではなく、キツめに当たってしまう。そしてすずは周作に別の結婚話があったことを知らされる。

 デレデレに加えてモヤモヤを抱えたすずは、径子の娘・ 晴美(稲垣来泉)と蟻を観察しているうちに誤って砂糖を水がめの中に落としてしまう。砂糖は8月から配給停止になる高級品。しかもその一部始終を義母の サン(伊藤蘭)に見られていた。心の底からどんよりするすずに、サンはヤミ市で砂糖を買ってくるよう自分のへそくりを渡す。

 ヤミ市で砂糖を買ったすずはその値段に驚き、改めて後悔する。そして家に向かって歩いているつもりが、いつの間にか見知らぬ場所に迷い込んでいた。帰り道を通りすがりの人たちに聞くが、誰もが知らんという。途方にくれたすずは リン(二階堂ふみ)という女性に声をかけられる。


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